お笑いコンビ、キングコング西野亮廣の著書「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」を読みました。そこにはブロガーやアフィリエイターはもちろん全てのクリエイターやマーケターにとって、とてもためになることがたくさん書かれていたので、名言をピップアップしたいと思います。
好きなコトで生きていこうと考える人ほど、お金と真摯に向き合うべきだ。お金の正体を把握することで、「面白い」の選択肢が増えるから。
大学で講演をすることが多い西野亮廣によると、クリエイティブな仕事をしたいと考えているアート系の学生に限って、お金のことについて真剣に考えている人が少なく「クラウドファンディング」すら知らない人がほとんどだそうです。
そういう人たちが目標のためにお金をためる、となったらバイトするといった発想しか浮かんでこない。普段からお金に対して真剣に向き合っていないから、どうやったら効率的にお金を集められるか分からない、という話がとても説得力ありました。
例えばブロガーで食べていく、あるいはクリエイティブな仕事をしながらフリーで食べていく、と考えている人ならお金の問題は決して避けられない部分です。それなのに案外多くの人はなんとなくやりたい仕事のイメージはあっても、どうやってそれでお金を稼ぐか、または稼いだお金を何に使うのか、といった部分をすっ飛ばしていることが多いですよね。
マネタイズするためにクリエイターがやらなきゃいけないのは、信用を積み重ねること。クリエイターの信用とは何か? 相手を楽しませることだ。
「お金は信用の一部を数値化したもの」と語る西野亮廣ですが、これはホリエモンも全く同じことを語っています。じゃあクリエイターの信用ってなんなのよ、という話になったときの答えが「相手を楽しませること」というのが実に的を射てますね。
これはブロガーにも全く同じことが言えるんじゃないでしょうか。まずは自分の記事を通じて読者の信用を獲得していく。お金を稼ぐことは大事だけど、そもそも自分の活動を通じて信用を得ていなければ、その活動はお金になって還元されないということです。
勝てるところで勝つ
絵もほとんど描いたことのなかった西野亮廣がプロの絵本作家に勝つために選んだこと、それは「より多くの時間を費やす」ことだったそうです。
プロの作家はそれで食べているだけに、1冊の本に完成させるのに何年もかかっていたら、効率が悪くて生活していくことができません。
一方で西野亮廣のように副業でやっているからこそ、1冊の本を作るのに何年も費やし、よりクオリティーの高いものが作れ、プロにも太刀打ちできる、と考えたそうです。
もちろん時間をかければいいというものじゃないですが、勝てる部分を探す、というのは優れたマーケター的発想ですよね。
必要なモノは買うし、必要じゃないモノは買わない。ならば少し魔法をかけて、作品を「必要なモノ」にしてあげればいい。
西野亮廣が絵本を売るためにやったこと、それは絵本を「おみやげ化」することだったそうです。絵本はそもそも生活になくてはならないモノではないために、それを売るにはおみやげを買うような状況を作ってあげることだと考えました。
おみやげは本来は必要じゃないものばかり。それでも人が買ってしまうのは、思い出を残しておくために必要だから、という法則の下、絵本の原画を無料で貸し出し、全国各地で展覧会を開催してもらい、そこで無料で原画を貸し出す代わりに絵本を販売してもらったのです。
展覧会を体験したばかりの来場客は、映画館でパンフレットを買うように、おみやげとして本を買って帰ります。「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」もそうですが、西野亮廣が本を電子書籍化しないのは、おみやげ化できないからだそうです。
実は情報そのものにはそれほど価値がないんだけれど、”お金を払うこと”に価値があるんじゃないかな。
西野亮廣は例えば気になる本があったら、立ち読みなどは一切せずに”まず買っちゃう”そうです。それはお金を払った分、元を取ろうとするから本に書かれていることの吸収力が違ってくるから。
本だけに限らず、なんでも無料でやろうとする人は結局中途半端に理解、習得して終わりがちです。なぜなら無料だと、自分の興味のある情報、都合のいい情報しか取り込まない傾向にあるからです。
でもお金を払っていると、そのリターンを得たくて真剣になるから知識となり、経験となる、というのは様々な局面で言えることです。
今、SNSは拡散装置ではなく、個人と個人を繋げるツールであり、1万人に網をかけるよりも、1対1を1万回したほうが効率が良い。
何かを宣伝するときにツイッターで告知をすればあとは自然に拡散されるというのは理想ですが、現実にはなかなか起こるものではありません。
そこで西野亮廣が自分の個展をニューヨークで開催するときに資金を集めるためにやったことは、「キングコング西野」でエゴサーチをかけ、自分についてツイートをしている人に対してひとりひとりに「個展の開催資金が必要なのでクラウドファンディングで集めています」といったメッセージを送っていったそうです。その数なんと700~800人。すごい行動力ですね。
ほかにもこの本には数々の名言と斬新な集客やお金の集め方のアイデアが詰まっていて、かなりおすすめです。ぜひ読んでみてください。